関西の鉄道事情をご存じだろうか。関西はJR西日本が強いが、それ以外にも強い私鉄が入り組んでいる特徴がある。近鉄を代表として関西には様々な私鉄が存在している。
インフラといえばガスや電力会社などが挙げられるが、鉄道会社もその一部である。
今回はそんなインフラを志望しているなら勿論、デベロッパーを志望している人にも必ず併願しておきたい鉄道会社の中でも関西の私鉄3社を紹介していこうと思う。
そもそも鉄道会社のビジネスとは
鉄道会社は主力事業として鉄道を走らせてその運営収益を得ている。これはみなさん言わなくても知っている事実だろう。
ただそれ以外にも様々なビジネスを展開しているのはご存じだろうか。
具体的に言うと、
・不動産:オフィスビルであったり住宅などを不動産開発して賃貸・販売
・ホテル・リゾート:鉄道沿線にホテルを企画して立地の強みを活かす、また休閑地にリゾート開発などを行う
・流通:商業施設などを開発することでそのテナント収益を得る
・広告:駅構内や車両内など、誰もが利用して目にしやすい場所に存在する広告などで収益を得る
・その他:カードを発行して沿線住民が享受できる特別な待遇を与える
など鉄道会社の事業は多岐に渡ります。
鉄道事業とシナジーを生むことができるような関連事業に手を出して収益減源を多角化しようとしている最中なのです。
鉄道会社の業界動向
鉄道会社は大きく分けて4つに分けられます。
1つめはJR(=Japan Railway)です。元々国鉄という国事業として行っていたものが母体でそれが解体されて全国に散らばっています。JR北海道、JR東日本、JR東海、JR西日本、JR四国、JR九州、JR貨物があります。
2つめは私鉄です。今回紹介するような東急などは私鉄です。こちらは一般的な企業として捉えて貰ってもかまいません。鉄道会社それぞれの独自事業を打ち出しているのが面白いですし、路線がある程度決まっているので就活生から見て勤務地をほぼ確定させることができるのがメリットです。
3つめは公営鉄道です。県や市などが主体となって行っており、名古屋市営地下鉄などが挙げられます。こちらは若干公務員的色が残っていたりします。つぶれはしないでしょう。
4つめは第三セクターです。聞いたことが無いかもしれませんが、第三セクター方式で運営されている鉄道会社を言います。地方のローカル線に多いです。
第三セクターとは以下のように定義されています。
第三セクターは、元々は地域開発や新しい都市づくり推進のため、第一セクター(国や地方公共団体)と、第二セクター(民間企業)が共同出資して設立された事業体をいいます。鉄道でこの形態の会社が話題となり始めたのは、旧国鉄の赤字線廃止の計画が具体化したころで、赤字線の存続を図ろうとする地方の関係者が、次々と第三セクター方式を発表しました。
日本民営鉄道協会より
就活ではJRと私鉄が主にターゲットとなるのでここでは割愛させていただきます。
コロナによる影響を受けている
皆さんの生活にも影響を与えたコロナ。そんなコロナによる影響を大きく受けたといえるのが航空と鉄道会社です。
利用する客が根本的に減ったのと、リモートの普及によりあまり鉄道を利用する機会が無くなったり、定期券解除などの影響を受けました。
また関連事業も影響を受けており、ホテル・リゾートなどは赤字を出していたりします。出張が少なくなったのと単純にエアビーなどの民宿が旅行需要をさらい始めている様子です。
賃上げ・コストカット
コロナの影響を受けて鉄道会社も黙っているわけには行きません。
まずは運賃の値上げです。これは単純に1割上昇させるだけで売上高が1割増加する、しかも多少の値上げでは利用者は減らないのでとても大きな強みでしょう。競合の参入障壁が高い鉄道業界だからこそ成立します。しかし法律によって簡単には値上げできないのが現状です。
一方でコストカットにも取り組んでいます。これは運転の自動化による人件費カットであったり、運行本数を減少させることによって対応しています。
車両の売却による減価償却の減少など、細々したところまで心血注いで行っている様子です。
近鉄HD:関西私鉄の雄
近鉄ホールディングスといえば関西の私鉄の王者だといえるでしょう。
正式名称は近畿日本鉄道といい、大阪始め大阪、奈良、京都だけではなく三重県や愛知県まで路線を持っています。関西ではかなりのシェアを誇っており、三重県はJR東海の在来線が近鉄に圧倒的に敗北していたりと、その地域に根ざした利便性や鉄道を走らせるという矜持には感服させられます。
近鉄ホールディングスの幅広さは事業ポートフォリオにも表れており、鉄道、バス、タクシー、物流、海運、不動産、流通、自動車販売、ホテル・リゾートなど様々な事業を展開しているのが分かるでしょう。
そういった側面から関西では圧倒的な売上高を誇っています。
近鉄の事業内容を見てみると他の鉄道会社は意外と不動産事業で稼いでいるのに対して、ホテル・リゾートなどで依然稼いでいました。
その結果コロナウイルスの影響によりかなり赤字を出している状況です。
中期経営計画では多くの損失をホテル・リゾートで出しているのが分かります。
そんな近鉄HDも今後は更なる事業拡大を目指して模索中であり、このままでは終わるはずありません。
① コスト構造の抜本的見直し:不採算事業の撤廃
② 有利子負債の早期削減:SPC活用で不動産事業の拡充
③ 外部パートナーとの連携強化:CVC
④ 事業ポートフォリオの変革:M&Aによる事業拡大(2021年4月1日付で株式会社サカエがグループ入り)
⑤ DXによる新規事業・サービスの創出:ECビジネスの拡大
⑥ 地域の課題解決を目指したまちづくり:駅周辺再開発
などを行う方針です。ブラックストーンが参入して指示しているようですね。
阪急阪神HD:近鉄に劣らず、不動産などに勝機あり
阪急阪神HDは関西ユーザーなら誰もが知っている鉄道事業者です。
鉄道のみならず近鉄に劣らず複数の事業を展開しています。
都市交通事業、不動産事業、エンタテインメント事業、情報通信事業、旅行事業、国際輸送事業、ホテル事業など見て分かる通り鉄道以外のことをたくさん行っています。
特に注目したいのが不動産(阪急阪神不動産)です。デベロッパー志望の方なら聞いたことはあるはずです。
梅田という関西の超一等地は現在再開発を行っています。その中心となっているのが阪急阪神不動産です。
大阪梅田においては、2022年の全体竣工に向けて「梅田1丁目1番地計画」(ビル名称:大阪梅田ツインタワーズ・サウス)を着実に進めています。また、2024年夏頃の先行まちびらき(一部民間宅地および一部都市公園)および2027年度のうめきた2期地区全体開業を目指して「(仮称)うめきた2期地区開発事業」を推進しています。さらに、阪急西宮北口駅南東エリアにおいて、2023年9月の開業を目指して「(仮称)阪急西宮ガーデンズ西側土地開発計画」を進めているほか、首都圏においても、東京都心5区を中心にさまざまな開発プロジェクトに取り組んでいます。
阪急阪神HPより
そんな阪急阪神は鉄道事業よりも不動産で稼いでいます。セグメント情報を見てみると不動産が一番収益をあげているのが見て分かるでしょう。
したがってデベロッパー志望の人は絶対注目しておくべき企業になります。
京阪:大阪-京都-滋賀を繋ぐ関西の猛者
京阪は大阪や京都を中心に路線を敷いている鉄道会社です。
京阪本線・鴨東線、中之島線、交野線、宇治線、京津線、石山坂本線、鋼索線からなる総営業距離約91.1kmの鉄道ネットワークを構築しています。
大阪・京都・滋賀の都市間輸送を担い、通勤・通学アクセスとして、また、大阪・京都やびわ湖への観光アクセスとして、1日平均約80万人に利用されています。
京阪グループは50社を保有しており、4つのコア事業を展開しています。(数字は2021/3実績の営業収益)(単位:100万円)
・運輸業(65,694)
・不動産業(110,270)
・流通業(83,109)
・レジャー・サービス業(9,724)
の4つです。不動産とと流通業が運輸よりも強いことが特徴です。そういった面からデベロッパー志望の方が京阪でそういった事業に携わることができる可能性が高いというのも魅力的ですよね。
そんな京阪グループの経営理念はこちらです。
京阪グループは、人の暮らしに夢と希望と信頼のネットワークを築いて、快適な生活環境を創造し、社会に貢献します。 |
そんな京阪の経営理念から見られるように、集団の中で信頼を築いた経験を持っている人などは好かれやすい印象なので、選考を受ける方はそういった部分をアピールしていきましょう。
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